1級着付け技能士実技Part 2:「モデルの着替え」〜「補整・長襦袢着付け」

「持参品・道具点検」をクリアし、ホッと一息ついたのも束の間。
いよいよ実技作業が始まる前に、モデル着替えチェックが始まります。
これをクリアすればいよいよ実技試験に突入です

流れを確認!

試験時間枠内容時間
準備(実技)モデルの着替え10分
点検検定委員によるモデルの補整の点検5分
準備補整、長襦袢着付けのための準備5分
実技補整、長襦袢着付け15分
採点検定委員による採点10分

モデルの着替え

(10)受検者は、「検定委員による受検者の持参品及び服装の点検」後、モデルに足袋、肌着と浴衣又はガウンを着用させること。ブラジャー、キャミソール、タンクトップなどは補整とみなされるため不可とする。なお、補整(パットを入れているなど)されていない和装ブラジャーのみ使用可とし、「補整、長襦袢着付けのための準備」の前に検定委員が点検する。

着付け職種技能検定 1級着付け(着付け作業)実技試験問題 注意事項

モデルの着替えは10分ありますので比較的余裕があります。
受験者はモデルさんに足袋、肌着、浴衣(またはガウン)を着用させます。
モデルさんが元々着ていた洋服は2m×2mの指定された場所の隅っこに置きます。「お客様のお洋服」と思って、キレイに置いておきましょう。またお着替えの最中は、周囲に配慮して肌着や浴衣等で隠すなどもされた方がいいかと思います(普段されてると思うので普段通りに)
着用後は、指定された場所の中で座って待つように指示がありました。

足袋は履かせないといけないの?

私の受験の時は「足袋はモデルさんに履いてもらっても構わない。肌着や浴衣は受験者が着せます」でした。
周囲を見ていても開始と同時にモデルさん自ら足袋を履き始めている組もありました。

浴衣・ガウンはどういうものが良い?

9割が浴衣持参です。お一人、ビッグサイズのショールの方がいらっしゃって、良いんだ!と驚きました。
私は浴衣を腰紐で結ぶと思っていたのでおはしょりを作らなくて済むように対丈に縫って行ったのですが、「羽織らせるだけ」という指示でした。この浴衣は次の「検定委員によるモデルの補整の点検」につながります。

ブラの中まで確認される!?検定委員によるモデルの補整の点検

① ブラジャーは原則NG!「パット無し」和装ブラのみ

  • ルール: ブラジャー、キャミソール、タンクトップなどは補整とみなされるため原則不可です。
  • 使用可: 補整(パットを入れているなど)されていない和装ブラジャーのみ使用可とされています。
  • 会場のリアル: 検定委員は、モデルさんの和装ブラの中まで確認します。「パットが入っていないか?」を徹底的にチェックされるため、ごまかしは効きません。会場の至る所でパットを取ってるモデルさんがいました。。。
  • 医療用パット: 医療目的のパットを使用している場合は、事前に運営事務局に相談しておいた方がいいかなと思います。

② ロングスパッツは脱がされる!ショートスパッツ必須の理由

  • ロングスパッツは検定委員の指示で脱がされていました。
  • 男性の受験者や事務局の方もいるため、モデルさんには、ショートスパッツを着用してもらうと良いと思います。

置き直すだけ!補整、長襦袢着付けのための準備

衣装箱サイズに置き直す

ここでいよいよ衣装箱サイズ(縦40cm~45cm、横55cm~65cm、高さ5cm~20cmを目安)に置き直します。5分あるので焦る必要はありません。
次の補整・長襦袢着付けのために必要なタオル・コットン・ガーゼなどの補整道具や仮紐などを使いやすいように衣装箱サイズに置き直し、次の作業に備えます。注意事項にあるようにタオルやコットンの加工はできません。

(11)「補整、長襦袢着付けのための準備」の時間は、検定委員が点検をした持参品を、作業しやすいよ うに並びかえるための時間で、タオルやコットンの加工はできない。タオルやコットンをカットする等の作業は「補整、長襦袢着付け」の作業時間内に行うこと。

着付け職種技能検定 1級着付け(着付け作業)実技試験問題 注意事項

焦らなくて大丈夫!丁寧に補整、長襦袢着付け

15分あるため余裕を持って終えられる人が多い印象ですが、スピードよりも「丁寧」に着せつけましょう。

コットンの加工が必要な場合は、この間に行います。

15分間、検定委員は受験者をずっとチェックしています。着付け方もさることながら所作も見られているように思います。時間の経過は5分単位でアナウンスされていたと思います。


前から後ろから…検定委員による採点

長襦袢の着付けが終わると、検定委員による採点(10分)に入ります。これは、次の振袖着付けに移行する前に、「土台の正確性」が確保されているかを確認していると思われます。

襟元や衣紋の抜け方、長襦袢の裾ラインを見ているように思いました。



💖 まとめ:基礎とルール順守で 長襦袢着付けまで乗り切る!

乗り切るには、「ルール順守の徹底」と「基礎技術の正確性」が不可欠です。

  • 点検: モデルさんのインナーは「パット無し和装ブラ」と「ショートスパッツ等」で。
  • 実技: 15分もある!と思って、焦らず丁寧な襦袢着付けを心がける。
  • 意識: 常に試験官に見られている意識で所作を美しく。

これで、最大の山場である「着物・帯結び」に最高の状態で進む準備が整いました。


続くPart 3・最終記事では、「着物着付け、帯結び(草履まで)(25分)」から「検定委員による採点(25分)」の流れをお伝えします。

Guide de Wa きもの着付け 出張・稽古


麗(うらら)

Guide de Waきつけ教室オーナー

東京着付アカデミー着付プロ /一般社団法人国際着物ドレスアーティスト協会認定着物ドレスアーティスト /特定非営利活動法人 日本理美容福祉協会認定福祉車いす着付師プロ (※介護職員初任者研修修了)

PAGE TOP